Interview

きみとバンド

2024/02/17

“すべてはバンドのために”メンバーそれぞれが

バンド活動とソロ活動で輝く個性派バンド


──バンド名「きみとバンド」の由来を教えてください。

大野真依(以下、大野):私たちは、以前アイドルをしていたメンバーがいたり、グラビア活動をしているメンバーがいたり、見た目がバンドマンっぽくなくアイドルと間違われることがあったので、グループ名に“バンド”という言葉を入れてしまおうと。そして、全員、楽器経験ゼロから始めたので自分たちだけでなくファンのみんな「きみ」(※ファンの名称)と一緒に成長していきたいという思いを込めて「きみとバンド」というバンド名にしました。

──どのようなグループか教えてください。

清原梨央(以下、清原):バンド以外の個人の活動が多いことが特徴です。真依ちゃん(大野)は、TikTokのフォロワー数が65万以上で、クラウドファンディングを使ってグラビアの写真集を作ったりしています。理紗ちゃん(森田理紗子)は、ソロでシンガーソングライターとしての活動を。ゆきたん(YUKI)は、ライバーとして今も毎日配信をしています。私は演技の仕事をしていて。4人が全く別のジャンルで活動して、それぞれが「新しいきみ=ファン」と出会ってバンドを大きくしています。今、SNSの総フォロワー数は100万人以上になっています。それが「きみとバンド」の唯一なところだと思います。

──事務所が愛媛とお聞きしたのですが、愛媛での活動が多いのでしょうか?

森田理紗子(以下、森田):愛媛のバンドだと思われることもあって、「愛媛から来たんですか?」と聞かれることもあります。今は拠点を東京に移していて、メンバーも半分愛媛、半分愛媛以外です。2022年8月にZepp Hanedaで、2023年12月には大阪メルパルクでライブを行って、3月には大阪と福岡のZeppツアーをします。全国をハイエースで移動しています。

──ハイエースですか?

森田:はい。バンドなので、バンドらしくハイエースの移動です。今のハイエースは2台目で、一台目は、30万キロくらい走りました。

──本当にバンドですね! では、2023年11月にメンバーになったYUKIさんの加入経緯を教えてください。

YUKI:私はライバーとして配信活動をしているのですが、2023年5月くらいにプロデューサーの方から「きみとバンド」に入らないか、と声をかけてもらって。本当に急に。楽器経験がほとんどなくて、ベースもやったことがないので、私で大丈夫かな?と思いました。でも、他のメンバーもみんな楽器初心者から始めていて、そういうメンバーを探していると聞いて加入を決めました。

──みなさん、楽器経験なくバンドを始められたんですか?

大野:そうなんです。子供のころから楽器をやっている方たちには負けちゃうんですが、ゼロからスタートすることで努力した分、ファンの方に結果を見てもらえると思っています。理紗ちゃんは、シンガーソングライターとして活動していてアコースティックギターが弾けるので、バンドでは敢えてエレキギターを持ってもらっています。「きみとバンド」というバンド名は、きみ(ファン)と一緒に作っていくバンドというコンセプトもあるので、成長を見てもらいたい、と思っています。

──YUKIさん加入で4名体制になって、変化はありましたか?

森田:はい。変わりました。バンドのベースはすごく重要なんですが、これまではサポートの方にお願いしていたんです。私たちは武道館を目標に活動しているので、武道館までベースがサポートってわけにはいかないよねって思ってましたし、ファンの方もきっと感じていたと思うんです。そこに待望のベース加入で、ステージには正規のメンバーしかいない状態になって、完全体になったというか、お待たせしましたみたいな気持ちです。

──完全体! その完全体のメンバーは、それぞれどんな人ですか?

大野:では、自己紹介ではなく他己紹介します。私が理紗ちゃん(森田)を紹介します。一見すごく落ち着いていて話し方も上品でクールに見えるんですが、バンド加入する前からシンガーソングライターとして音楽活動をしていた人。バンドに入らなくても音楽活動できる環境があったのにプロデューサーから誘われた時に即答で加入を決めたと聞いて、決断力や熱量がすごいと思いました。チャンスが来た時につかめない人が多いなか、しっかり見て飛び込む熱い人です。

森田:ありがとう(笑)。次に梨央ちゃん(清原)を紹介します。とにかく自分より周りのことやファンのことを考えている人です。だけど、それをステージには絶対持ってこない、そういう強いところがあって、つい頼ってしまう存在です。私たちが重荷になってないかなって心配になっちゃうくらい頑張り屋さんです。いつも明るくて、強そうに見えるからこそたまに見せる、ちょっと弱いところとか全部ひっくるめてすごく魅力的な女の子です。

清原:嬉しいです。私がゆきたん(YUKI)を紹介します。ゆきたんは、すごく可愛い。年齢的にはゆきたんの方がお姉さんなんですけど、なぜか妹みたいに思ってしまうような可愛さがあって、生まれ持った愛嬌というか。特に好きなのが笑い声で、ゆきたんの笑い声には、人を幸せにするパワーがあります。

YUKI: では、真依さんの紹介をします。スタイル抜群のナイスバディです。グラビア写真集のクラウドファンディングで、1400万円以上を集めてしまうくらいの女性です。だけど、ラーメンやフレンチトーストを食べてるのをよく見かけるんです。ということは、すごく努力してスタイル維持をしているんだな、忙しいのに自分を律しているんだなと思っています。バンドでは、優しく包み込むような頼れるリーダーです。

──ニューシングル『LAST and START』に収録されている曲について教えてください。「ユメコイ」からお願いします。

大野:私が作詞した「ユメコイ」は、学生の若い恋愛について書きました。大人になるにつれて、いろんな恋愛をして、人との付き合い方も変化して良い意味で大人になっていくけれど、ふとしたときに昔の学生時代の一途でまっすぐだった恋愛を思い出すときってあるじゃないですか。そういう思いを書きました。

──次に、「つよがり」について教えてください。

森田:私が作詞した「つよがり」はメンバーと来てくれるお客さん「きみ」たちのために書いた曲です。“ソロ活動のひとりだった頃の方が強かったのかな?”みたいなことを書いた部分があるんです。ひとりが当たり前だったのに、バンドに入ってメンバーと一緒に楽しく活動していくうちに、ひとりでステージに立つことが怖くなってしまったことがあって。ひとりでないことを知ってしまったら、こんなふうになっちゃうんだと感じてしんどかったこともあったんです。でも、待ってくれているお客さんたちがいるから迷ってる暇はないし、辞めたいなんて思わないし、という気持ちが強くて。私もメンバーもファンの方には見せない辛いときもあると思うんです。それを抱えながら「つよがり」ながら活動をしていて、それが本当の強さに変わって最高のバンドになる。そして、一緒に進んでいこうという思いを込めて書きました。

──「Spicy!」は、どんな曲ですか?

清原:「Spicy!」は、他の2曲のバラードとは全く別のラップ調の曲。「きみとバンド」では、初めての本格的なラップ曲です。作曲していただいている古城康行さんに「この曲の作詞は難しいよ」と言われて、うまく書けるか不安でした。でも、曲を聴いて、男性目線の恋愛の曲をイメージしたので、自分の中にイケイケの兄ちゃんみたいな存在を入れて、そのノリで書きあげました。男性が共感できる部分があればいいなと思っています。

──では、「Zeep tour WEST 2024」への意気込みを聞かせてください。

清原:もともと大阪のZeppでライブをすることは聞いていたんですが、福岡のZeppでもライブをして「Zeep tour WEST 2024」にすると聞いたときは、口がポカーンという状態になりました(笑)。福岡でのライブは10回もないくらいで、Zepp Fukuokaという大きい会場でできるのか、という不安が押し寄せてきました。だけど、「いや、やれる」と思い直して。プロデューサーの目が本気だったので(笑)、これはバチッと決めないといけないな、と。2022年8月のZepp Hanedaと同じように無謀な挑戦ではあるけれど、きみとバンドが「Zeep tour WEST 2024」やりましたではなく、「Zeep tour WEST 2024」大成功させましたという結果になるようにメンバーと“きみ”と力を合わせていきたいと思っています。

大野:私たちが目指しているのは、インディーズガールズバンドがまだ成し遂げていない“日本武道館でのライブ”です。その武道館までの道のりは、こうやって作っていくんだと感じています。Zeppツアーは、日本武道館に結構近いんじゃないかなって思っていて。だからこそ、ライブをするのではなくライブを成功させる。成功させることできるかどうかで、日本武道館へ近づくかどうかが決まる大事なツアーだと思っています。

森田:大きなステージなので、いつも応援してくれている方には絶対来ていただけるように頑張るんですけど、それだけじゃ埋まらないので、きみとバンドを名前しか知らないとか、全然知らない人にも来てもらう必要があると思ってます。音楽やビジュアルだけでなく、私たちが頑張ってる姿を見て応援したいと思ってくださる方もいるので、その姿をしっかり見せたいです。やれること全部もう本当に残さずにやって、あれもこれもやれたんじゃないかっていう後悔が一切ないようにガムシャラにやります。チャンスは何回もないので、成功させるように頑張ります。

YUKI:2023年12月のデビューライブは、緊張とプレッシャーで楽しむ余裕がなかったので、Zeppという大きいステージで自分自身も楽器の演奏も楽しんで、ファンの方にも楽しんでもらえるようにしたいと思っています。

──影響を受けたアーティストを教えてください。

清原:浜崎あゆみさんです。両親の影響で小学生の頃からずっとライブに行っていて、今もライブに行くくらい好きな方です。ずっと貫いていらっしゃる信念があって、歌詞でも同じメッセージを伝え続けてくださっていて。生き方や姿から伝わってくるメッセージが格好いいと思っています。目指すには遠い存在ですけど、落ち込んだ時や力が出ないときには、必ず浜崎あゆみさんの曲を聴いて力をもらっています。

大野:X JAPANのYOSHIKIさん。私は、楽器を持って半年でデビューしているので、どう頑張っても上手くはなくて、技術でどうこうすることは難しいんです。YOSHIKIさんは技術があって、そのうえで見せ方というものをお持ちで。技術だけじゃなく、見せ方があっても良いというのを教えていただいたというか。演奏は上手ではないけれど、見せ方や思いを見せることはできる、と感じたとき、自分の気持ちが少し軽くなった気がしました。ライブの出番前には、映像を見ています。

森田:私はいきものがかりのボーカルの吉岡聖恵さんにすごく憧れています。学生の時に好きだった男の子がいきものがかりが好きで、YouTubeで検索して曲を聴いて衝撃を受けて。なんてきれいな曲と声なんだろうと思ってから、新曲が出るたびにノートに歌詞を書いて誰よりも早く覚えて歌ったりしてました。聖恵さんになりたいくらい好きだったんです。彼女のストイックな姿も格好よくて、そういうボーカルになりたいと思って歌っています。いつかお会いしたいです。

YUKI:私は、もう解散してしまったのですが、フェアリーズ(Fairies)というアイドルグループです。ダンスを始めるきっかけになったグループで、ダンスを始めたあとにボイトレを始めたので、音楽に関わるきっかけになりました。

──それぞれ個人の活動もされていますが、両立の秘訣を教えてください。

大野:ソロ活動とグループ活動の両立は本当に難しくて、どちらかの調子が良いとそちらに力をいれてしまったり、どちらかで嫌なことがあると別の方に逃げてしまったりすることがあります。そんなときに大事にしているのが、“何のためにやってるか”を考えて、目標を持つことです。私たちは“インディーズガールズバンド初の日本武道館公演”を目標に活動しているので、そのためには8,000人ぐらいの方を集めないといけない。それは、バンド活動だけで集められるものではないので、メンバーそれぞれが違う分野で活動して、多くの人と出会う場を作る。私たちには、“すべてはバンドのために”というキャッチコピーがあるので、何のために活動をしているのかを忘れずに両立しています。

──今後の目標を教えてください。

清原:新体制としては今年が1年目ですが、結成からは4年目です。私と真依ちゃんは初期メンバーで体感的には結構長く活動している実感があるので、もっとたくさんの方に知ってもらいたいと思っています。台湾でのライブが決まっているので、今まで以上に全力で、多くの人と出会って「きみとバンド」を広げていきたいと思っています。

大野:時間が経つのがどんどん早くなって、気づいたら加入して3年目。これまでやってみたいけれど、ファンの人がどう思うのかなと考えてやらなかったことや、誰もやっていないからダメかな、と思ってしまうことがあったんですが、迷ったり躊躇したりする時間はないなと思ってます。これからはやりたいことはやる、ダメだったらやめればいいし、成功すれば続けていけばいいので、バンドとしても個人としても、新たなことに挑戦していきたいです。

森田:バンド活動でもソロ活動でも、たくさんの人に出会うのですが、来てくれた人を1人残さず魅了できるようなパフォーマンスができるように自分を磨いて、1年後には、今は想像できないような場所に立ってる自分になりたいです。

YUKI:ライブ配信活動をずっとしてきたので、バンドでの活動や楽器について、ステージでの振る舞いなどまだまだ分からないことやできないことがあります。そんな手探り状態ですが、これまでやってきたライブ配信を生かして、自分にしかできない形でチームに貢献して、武道館に行けるように頑張りたいです。

──最後に、メッセージをお願いします。

清原:楽器未経験で飛び込んだ音楽業界。それでも頑張っていいんだ、自由にやっていいんだって思わせてくれるような夢がある自由で楽しい世界だとライブをするたびに思っています。正解も不正解もないと感じているので、みんなと同じことをやるのではなく、人と違うことや自分にしかできないことを見つけて、唯一無二なものを作っていきたいです。「きみとバンド」は、他のバンドが通ってきてないような道を通ってきたバンドなので、成功させてこれが当たり前になるようにしたい。とにかく今は自由に楽しく自分のやり方で音楽を楽むので、みなさんにも楽しんでいただきたいです。

Profile

2020年、愛媛で結成したガールズバンド。2023年12月のライブから新体制となり、大野真依、清原梨央、森田理紗子、YUKI(ゆきたん)の4人で活動。メンバーそれぞれがグラビア・シンガーソングライター・ライバー・演技とソロ活動を積極的に行う。“インディーズガールズバンド発の日本武道館公演”を目標に活動している。

Webサイト:http://taimu-co.com/entertainment/band/kimi-to-band.html

X:https://twitter.com/with48263996

Release Information

NOW ON SALE

シングル「LAST and START」

\1,650(税込)

Live Information

台湾ライブ

Fancy Frontier開拓動漫祭 42

2024.2.23~25@花博公園爭艷館(台北市中山區玉門街一號

Zepp tour WEST 2024

2024.3.10@大阪・Zepp Osaka Bayside

2024.3.16@福岡・Zepp Fukuoka

※詳細は公式Web Siteをご覧ください