Chilli Beans.

自分が “こうありたい”と思うものに耳を傾けて。

3人の個性を、楽曲、ライブ、生き方から紐解く。

---

── 3人でバンドを結成したきっかけを教えてください。

Moto：みんなが通っていた音楽塾ヴォイスの先生に「やってみたら?」と言われたんです。そのスクールはドラムがなく、打ち込みや弾き語りを中心に勉強していたので、必然的に3人になりました。

——では、バンド名の由来は？

Lily：Chilli は Red Hot Chili Peppers から。Beans は、まだまだひよっこという意味で豆にしました(笑)。

——かわいいですね(笑)。レッチリの名前が出てきましたが、それぞれ影響を受けたアーティストを教えてください。

Lily：The 1975 や Beabadoobee、韓国のシンガーソングライター IU の影響が大きいです。

Moto：Kurt Cobain さん、Mac Miller さん、bülow さん、Billie Eilishさん、バンドのThe Pretty Reckless、YUIさん！ ぜんぶ言っちゃった(笑)。

Maika：私は、シンガーソングライターの Dua Lipa さんに一番影響を受けてます。あとは、ディズニーチャンネルの洋楽ポップスど真ん中の音楽にも。特に「ハイスクール・ミュージカル」が好きでした。

——みなさん幅広いですね！ では、最新EPについても聞かせてください。タイトル『mixtape』にはどんな意味が込められてますか？

Maika：「普段から交流のある方々と一緒に作った曲を入れたいね」 という話になって、「いろんな要素をミックスした作品にしたい！」って広がり、このタイトルになりました。

——CDの他にカセットテープで発売した理由は……？

Lily：ミックステープって、HIP HOPカルチャーで、自分の好きな曲をミックスしていたことで。私たちも「テープにしたらなんかいいよね！」という流れで作りました。

 Maika：「かわいい！」って感じで作ったんだよね ！？

 Moto：そうそう！

——「アンドロン」「lemonade」に続き、Vaundy さんと共作した経緯と感想を教えてください。

 Moto：いろんな要素をミックスした作品を作ろうとして。Vaundy とは今までフィーチャリングって形でしかやったことがなくて“せっかくなら一緒に歌う曲を作れたらいいな”って、この形になりました。 Vaundy の世界を入れながら歌やハモリをしてみて、“誰かと一緒に歌うのって楽しい！”と思いました。

——3曲目に収録されている「duri-dade」は、楽曲から強い女性をイメージしました。このタイトルにはどんな意味があるのですか？

 Maika：特に意味はなくて。適当に歌ってた鼻歌が「diri 〜 duri 〜 dade 〜」に聞こえて、日本語にも英語にも無い言葉だから「これ、 かわいくない？」ってつけました(笑)。

 Moto：最初に楽曲のデモを持ってきてくれたのが、サポートドラマー の Yuumi さんで。周りに対してや、思ったこと、感じたことなど、 表現したいものが“強い”感じで現れているかなと思います。

——「アンドロン(yonkey remix)」は原曲からより音が立体的になって、楽曲の雰囲気に変化を感じました！ 

Moto：元の楽曲よりメルヘンな雰囲気になっていて。憂鬱だけど、「ふふふ」って笑ってる感じがあると思います。

 Maika：yonkeyくんの愛が詰まってるのを感じるよね！ 普段から仲良くさせてもらっていて、“ピーナッツ”や“バルトサーダン”の(歌詞の部分の)アレンジから、本当に曲に対する思いみたいなものが伝わってきて。すごくあたたかい気持ちになりました。

——では、今回の EP で注目してほしいポイントは？

Lily：チリビ以外のたくさんの方の特徴が入っているところです。あと、今回のEPを通して自分たちが得意なことも再確認できたので。 そんなところも聴いて楽しんでいただけたら嬉しいです。

 Moto：ツインドラムや打ち込みとか、初めてのことが多くて新鮮で！チリビのサウンドに乗っかってみんなで作ったことが伝わればと思います。

Maika：この曲！ってのはなくて、全部が違う色、形をした楽曲だと思います。“この人とやるとこうなるんだ！”とか、“こんな一面もあるんだ ！？”とか。チリビの新たな面を楽しんでもらいたいです。

——今後トライしてみたいジャンルなどはありますか？

Moto：HIP HOPが結構好きで……。サウンドはバンドだけど、メロや言葉遣いはHIP HOP系の曲をやってみたい。

——では次に、メンバー皆さんについて教えてください。どんな人なのか、それぞれの紹介をお願いします！

Maika：Lily は音楽のことが大好きで、ストイックな人です！

Moto：表現したい気持ちに自分の色を出しつつ、妄想を現実にするのが上手な人だと思います。

Lily：Moto は、とっても繊細で想像力が豊かな人です。大切にしていることがしっかりあって、そこは絶対にぶれなくて。

 Maika：全部言われちゃった(笑)。Moto は、大事なことを大事にできる人だと思う。とっても繊細な部分もあるので、取り扱いには注意してください(笑)。

 Moto：取扱説明書じゃん(笑)。マイピン(Maika)は、まっすぐでキャパが広い。悩んでるときも「大丈夫だよ」とかじゃなく、スッと助けてくれる感じがする。あとタフで、お出かけとかが好きなイメージ！

Lily：前に進むパワーがとってもある人。人と話したり言葉にして伝えたり、物事を楽しむのが得意なんだと思う。あと、猫が大好き！

——みなさんはファッションも個性的で素敵だと思います。参考にしているアーティストや好きなスタイルは？

Lily：これ！ って人はあまりいなくて。グランジの雰囲気とかデカめのシャツとか、着飾らないラフな服が好きです。

 Moto：こだわろうと思うとめんどくさくなってしまって……。最近 は、柄無しで真っ黒な服とかシンプルなのが一番好きですね(笑)。

Maika：私はDua Lipaさんの影響で、ライブ中の衣装は体のラインが綺麗に見える服や、お腹を出したりするのが好き。でも日常は、基本的にダボっとしてるものとかストリート系が多いかな。それも「ストリート系が好きだからやってます！」ってわけじゃなく、心地いいから着てる感じですね。総じて、着飾らないのが楽だなと思います。

—— 昨年は、SUMMER SONIC や SWEET LOVE SHOWER など多くのフェスに出演されましたが、いかがでしたか。

 Lily：チリビを全然知らない人がいっぱいいる少しアウェイの中で、 表現したいものをぶつけるのが結構好きで。闘志が燃えるのはフェスが一番だなと思いました。

Moto：わかる！私たちを知らない人の前で、どれだけ出せるか。

 Lily：そうそう！ 飾らずにどれだけ表現できるかを試せる場だから、 それがすごく楽しくて。私はフェスが一番好きだなと思いました。

 Moto：たしかに、フェスにいた Lily 楽しそうだった(笑)。

——最後に、いつも音楽を通してパワーを送ってくださるみなさんから、読者へメッセージやアドバイスをお願いします！

Moto：誰かの前に立つときは、変にカッコつけないでありのままでいることが大事だと思います。そうすると、自分の本当に大事なもの、 表現したいことが見つかる気がしていて。みんな違って当たり前だから、「ありのままでいてください」と伝えたいです。 

Maika：誰かの“こうあるべき”にぶつかったとき、おかしいと思ったら自分の思いを優先してほしい。自分が “こうありたい”と思うも のに耳を傾けていた方が、自分を好きになって、自分らしくいられる と思うので。常に自分の味方でいてあげることが大事だと思います。

Moto：かっこいい！

Lily：自分がヴォイスに通い始めたときは、バンドを組むことすら想像してなかったんです。自分がやりたいことを探して見つかったら、 それをやり続けて！ 自分が想像してなかった形になったりもします。 楽しく好きなことを続けるのが一番だと思います！

インタビュー&ライティング:小浜愛理・元生真由