『M-1』2022 決勝戦 本日(2022年12月18日)開催!
M-1グランプリとは??

M-1グランプリ通称「M-1」は、日本一の若手漫才師を決める大会のこと。M-1のMは、MANZAIのM。優勝賞金は、1000万円と超大金!
毎年12月末に開催される大会は、決勝9組に残れなかったコンビの敗者復活戦と決勝がテレビで生放送される。敗者復活戦は視聴者投票で1組だけが選ばれ、合計10組で決勝が行われる。
M-1は、なかなか芽の出ない若手漫才師に芸人の道を諦めるきっかけを作るため始められた企画で、才能を見極める場として創設された。
2001年に開始、2010年に一度終了したが2015年に再開。「10年続けて3回戦に進めないようなら見切りをつけて他の道に進んだ方が本人にとっては幸せである」という理由で、当初は結成10年以内の芸人のみにエントリーの資格があったが、2015年に再開してからは結成15年までに変更。多くの漫才師がエントリーし、2015年の3472組から、7年経った今年は7261組と2倍以上増えており、年々記録を更新している。
漫才とは?
漫才はボケとツッコミの2人組が主流で、間にセンターマイク1本を置いて2人の「会話」でお客さんを笑わせること。2人の掛け合いが非常に重要となってくる。
だが、M-1グランプリでは『4分間で「とにかく面白い漫才」を披露した人』に王者の称号が与えられる。
4分間という長くもあり短くもある限られた時間の中でいかに笑わせることができるかにかかっているのだ。
今年もエントリー数は過去最多を記録した。
その中で今宵頂点に立つコンビは誰だ!
勝ち上がった9組のファイナリストを、筆者の見どころとともに紹介!
0026 真空ジェシカ(プロダクション人力舎)

ビジュアル必見★★★☆☆
センス★★★★☆
ボケ:川北茂澄 ツッコミ:ガク
結成10年
ガクは青山学院大学、川北は慶應義塾大学卒の高学歴コンビ。学生時代それぞれの大学でお笑いサークルに所属しており、学生芸人として出会う。2年連続決勝進出。
1771 ダイヤモンド(吉本興業)

衣装必見★★★★★
動きの差必見★★★★☆
ボケ:野澤輸出 ツッコミ:小野竜輔
結成5年
1回戦が始まった8月から野澤のトレードマークだった黒と白のストライプの衣装が、大きくシフトチェンジしシックに。さらにボケとツッコミも入れ替え、今年のM-1に大きくかけている2人が初の決勝進出。あとは優勝だけだ!
1794 ヨネダ2000(吉本興業)

コンビ愛★★★★☆
世界観★★★★★
ボケ:誠 お手伝い:愛
結成2年
決勝唯一の女性コンビ!2009年のハリセンボン以来13年ぶりの女性コンビファイナリストであり、所属する神保町よしもと漫才劇場からは初のM-1ファイナリストとなる。先週行われた女芸人No.1決定戦「THE W」では準優勝という成績を残した。メキメキと頭角を現している2人はどんな漫才を見せてくれるのか!
1795 男性ブランコ(吉本興業)

落ち着き★★★☆☆
優しさ★★★★☆
ボケ:平井まさあき ツッコミ:浦井のりひろ
結成11年
漫才とコントの二刀流コンビ。昨年のキングオブコントでダークホースながら準優勝し、今年は優勝も期待されていたが準々決勝で敗退。悔しい思いを抱えながらのM-1初の決勝進出。逆境からの男性ブランコは強いぞ!
2852 さや香(吉本興業)

元気と熱量★★★★★
落ち着き☆☆☆☆☆
ボケ:石井 ツッコミ:新山
結成8年
5年ぶり2度目の決勝進出。昨年の敗者復活戦で披露した「からあげ4」のネタでは決勝戦に這い上がることこそできなかったが、非常に話題となり今も視聴者の記憶に残っている。5年ぶりに返り咲いた決勝で何を見せてくれるのか楽しみだ!
3312 ウエストランド(タイタン)

口の悪さ★★★★★
勢い★★★☆☆
ボケ:河本太 ツッコミ:井口浩之
結成14年
2年ぶり2度目の決勝進出。2020年は9位という悔しい結果で終わった。悔しさをバネに、そして井口の叫び、口の悪さを武器にタイタンから初の優勝なるか!?
3402 キュウ(タイタン)

聞き心地★★★★★
テンポ感★★☆☆☆
ボケ:ぴろ ツッコミ:清水
結成9年
初の決勝進出。ローテンポで進んでいく会話は唯一無二。いつの間にか2人の世界、そしてテンポに飲まれていく。漫才コンビ「麒麟」の川島は「YouTubeで1000回は再生した」と大絶賛。聞き心地の良い2人の会話を全国に届けてほしい。
4491 カベポスター(吉本興業)

ワードセンス★★★★☆
掴み必見★★★★★
ボケ:永見大吾 ツッコミ:浜田順平
結成8年
今年、ytv漫才新人賞、ABCお笑いグランプリで王者の称号を手にした今、最も勢いのあるコンビ。悲願のM-1決勝進出となった。今年の賞レースはカベポスターが総なめか?!
4948 ロングコートダディ(吉本興業)

世界観★★★★☆
衣装必見★★★★★
ボケ:堂前透 ツッコミ:兎
結成13年
大阪を拠点に活動する漫才、コントの二刀流コンビ。10月に行われたキングオブコント2022でもファイナリストに残り、飛ぶ鳥を落とす勢いの2人。所属するよしもと漫才劇場では人気の筆頭コンビ。2年連続決勝進出。漫才衣装を10月に新調したが準決勝では昨年決勝戦で着ていた衣装を着用している。決勝当日はどちらの衣装で挑むのか注目だ!
【筆者の独り言】
とても個性的な9組が上がってきたという感想です。
その中でも大阪の賞レースを総なめにし、ようやくM-1の決勝に進出したカベポスターや、結成2年でTHE Wなどでも大活躍のヨネダ2000は大注目株だと思います。そして5組しかエントリーしていないタイタンから2組が決勝進出という快挙も非常に面白いです。
さらに、この個性的な9組と戦う敗者復活組はどのコンビなのか……。
過去に決勝進出経験のあるオズワルドやミキ、からし蓮根。そして今年キングオブコント王者となったビスケットブラザーズや、ツギクル芸人グランプリ王者のストレッチーズなど強者揃いの敗者復活戦も目が離せません。
今テレビや劇場で大活躍、そして、結成15年を迎え今年M-1ラストイヤーの見取り図や、準々決勝で敗退してしまったが、動画配信サービスGYAO!に公開された準々決勝のネタ動画で視聴者数1位となり準優勝に復活した金属バットも惜しくも敗退。
個人的には、見取り図、ランジャタイ、金属バットのラストイヤー3組を決勝戦で観たかったなと思いました……。
決勝に進出したコンビに注目が行きがちですが、その裏には悔しい思いをした漫才師たちが7251組いるということです。
結成15年を迎えM-1の出場資格を失った漫才師たちの姿や今年は敗退してしまったコンビがまた1年、M-1に向けて磨き上げる姿を、ぜひ劇場で観ていただきたいです。10年経っても3回戦に進めなかったら他の道を進んだ方が良いという「諦め」を促すために始まった大会が、今や芸人たちの大きな目標でありメディアに出る指標となったM-1グランプリ。
今宵、誰が『4分間で「とにかく面白い漫才」』を披露できるのか、そして誰が人生を変えるのか。
M-1にすべてを賭ける漫才師たちの情熱がウルフルズの名曲「暴れだす V」に詰まったM-1グランプリ2022スペシャルPVも合わせてご覧下さい!
ライティング&イラスト:中村花音・磯貝 玲