Interview

リュックと添い寝ごはん

2022/12/10

Photo by Momo Angela

祝・結成5周年!

最新アルバムから紐解く、21歳の日々と音楽。


──まず、インパクトのあるバンド名の由来を教えてください。

松本ユウ(以下、松本):僕たちは高校の軽音楽部で結成したんですけど、部活の夏合宿で決まりました。合宿最終日、帰りのバスが来てて急がなきゃいけないときに、"リュック"を背負いながら"ごはん"を食べてたら、リュックと添い寝ごはんが生まれたっていう。
堂免英敬(以下、堂免):"添い寝"はどっから来た(笑)。
松本:一説では宮澤らしい。
宮澤あかり(以下、宮澤):らしい(笑)。みんな記憶が曖昧。たぶん意味はないよね?
松本:当時、なぜか"添い寝"という言葉がマイブームでよく使ってて。偶然だけど、「この3つの単語、語呂がいいね!」って。しっくりきたんですよね(笑)。

──たしかに、しっくりきます! 部活内では、どんな経緯でこのメンバーが集まられたんですか?

堂免:元々ユウと僕で「いつか組もうね」って言ってて。で、夏合宿の最終日に発表会があったんですけど、そこでユウの歌を聴いたみやさん(宮澤)が「歌声いいねえ!」ってなって。それで「おお! 全パート揃ったわ!」みたいなね(笑)。
松本:当時は部活内でABCってランクがあったよね。みんなAで僕だけBだったんですけど、「最強のバンドを組みたい」って思って。
宮澤:恥ず(笑)!

──ぬんさんとの出会いはいつ頃だったのでしょうか。

ぬん:僕が大学1年生で、3人が高校3年生のとき。同じ大会に出ていて、連絡先を交換して。その後ギターのメンバーが抜けるって聞いて、冗談まじりでユウくんに「暇だから弾くよ」と言ったら、ほんとに4人でやることに(笑)。
松本:その言葉を聞いた自分がマジになっちゃって。
堂免:ぬんさんがやってたバンドは受験の関係で活動休止が決まってたけど、ぬんさんは大学生だったから。
宮澤:ちょうどタイミングが合ったね。

──高校3年生で、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019への出場を果たされていますよね。高校生活は音楽漬けの日々でしたか?

松本:そうですね。ライブの次の日も学校だったり、放課後すぐにライブだったりな毎日の記憶があります。歌詞を書いても覚えられなくて、授業中に紙に書いた歌詞を(足元に)セットしてライブで歌うなんてこともやってたくらい、パツパツの学校生活でした。音楽活動と学校生活は別の世界としてイメージしてましたね。

──では、最新アルバム『四季』についても聞かせてください。このタイトルは、どんな思いでつけられたのでしょうか?

松本:新体制の4人って意味もありますし、アルバムを作りながら、春っぽい「わたし」、夏っぽい「サマーブルーム」と、いろんな季節の曲があるねって話にもなって。いくつか候補があった中で、『四季』が一番ぴったりだってなりました。パっと見た感じもかっこいいし、最終的に「これしかないね」って。

──曲を聴いて、今という瞬間や何気ない日常に目を向けた歌詞に、とても温かみを感じました。曲作りでは、普段の生活からヒントを得ることが多いのですか?

松本:そうですね。小さな幸せや喜びみたいな、小さなものを埋もれさせずに引っ張り出して曲にしていくことが多いですね。
宮澤:自転車も関係してるんじゃない?
松本:関係あるかも! 僕、自転車が大好きで。乗りながら見つけたり考えたりすることが多いんです。「この色好きだな」って思ったり。いろんな発見が、自転車から生まれてるのかもしれないです。

──メンバーのみなさんから見た、ソングライターとしての松本さんの印象を教えてください。

宮澤:周りをよく見てるなって思いますね。気づきが多い。
堂免:たしかに。気づきは多い。
ぬん:プレイに対してもだよね。スタジオで「ドラムをもっとこうしてほしい」とか一番に気づくし、いい歌詞も書きますし!
堂免:言い方(笑)。音楽をめちゃくちゃ研究しているのを感じますね。他のアーティストの曲も聴き込んで覚えてるから、バンドで合わせるときもすごく具体的な指示をパっと出せる。それが細かい一つひとつのフレーズの精度を高めてくことに繋がっていて。
松本:そんなふうに思ってくれてるなんて知りませんでした。幸せなことです、ありがとうございます。

──アルバム制作では、どんなところにこだわりましたか?

松本:「はっぴぃえんど」は全部自分たちで作ったんです。僕の家で録ったのをヒデ(堂免)がミックスして、それをもう音源にしてる。

──えっ! ご自宅にスタジオ設備があるんですか?

松本:全然(笑)。僕の家の時計のカチカチって音が入ってて、ちょっとうるさいけど、それがまたいい味を出してますね。リラックス感や、日常的な雰囲気をうまく音に昇華できたと思います。
堂免:ミックスのとき、時計の音は大きくしました。

──そんなスタイルの曲を入れる構想は最初からあったのでしょうか?

松本:『青春日記』(1stミニアルバム)を出したときから、僕の中で気にしてることで。ちゃんとした綺麗なアルバムを作るよりは、ちょっとふざけてるというか、自分たちの人間味みたいなものを入れ込みたいなって意識があります。

──オープニング曲の「everyday」に入っているみなさんの話し声や笑い声からも、そういう空気を感じました!

松本:あれは、合宿でみんなでふざけあって録ったんですよね。普段の雰囲気を音に昇華したいというのは目標にしてて。バンドをやってる意味はなんだろうって考えたときに、僕たちは仲の良さが強みだと思ってて。それを音に乗せたいって気持ちが曲に出ました。

──今年11月には結成5周年を迎えましたが、振り返るとどんな5年間でしたか?

松本:一瞬だったようで、中身をちゃんと見てくとめちゃめちゃ濃いというか。記憶ではあっという間の5年間なんですけど、あとから思い返して、その濃さに気づくことが多いですね。

── そして2023年1月には『四季』のアルバムツアーが始まります。

松本:新しい土地が3つ!
堂免・宮澤・ぬん:うん!
松本:東名阪プラス、仙台・福岡・北海道! すっごい楽しみです。

──では、今後ライブをやってみたい場所はどこでしょうか?

宮澤:ワンマン日比谷!
ぬん:ぜったい気持ちいい……。
松本:やっぱり日比谷野音。「Thank you for the Music」を作るときも、メンバーみんな、薄暗くてちょっと青みがかった野音をイメージしてました。

──新体制になって勢いが増している今、これからの活動への意気込みを聞かせてください。

松本:やっぱり野外に出たいというのが、とてもとても大きくて。夏フェスを始め、いろんな野外フェスにチャレンジしていきたいです。
ぬん:大きいステージで、たくさんの人に観てもらいたいなって気持ちがすごくあって。野外だと人がいっぱいで、山も見えたり。そういうふうに、ステージから見える景色を広げていきたいです。
松本:マイクにトンボが止まるの夢だわ(笑)。
堂免:1人でも多くの方に、僕らの音楽を知っていただきたいです。たくさんの人が僕たちの音楽で楽しんでくれたらと思います。
宮澤:観てくれた人に「次も来たい」って思わせたくて。何回来ても、その度に進化してるバンドでありたいなって思いますね。

インタビュー&ライティング:金子実夏子・元生真由

Profile

松本ユウ(Vo/G)、堂免英敬(Ba)、宮澤あかり(Dr)、ぬん(G)からなる4人組バンド。2017年結成、平均年齢は21歳。2022年10月5日「Thank you for the Music」の配信リリースとともに、サポートギタリストぬんの正式加入を発表。11月9日には、4人体制で初めてのフルアルバムとなる『四季』をリリース。
Web Site:https://sleeping-rices.com
Twitter:@sleeping_rices

Release Information

2nd Album『四季』NOW ON SALE

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Live Information

『四季』Release Oneman Tour
2023.1.28 @ 愛知 THE BOTTOM LINE
2023.2.5 @ 宮城 LIVE HOUSE enn 2nd
2023.2.12 @ 福岡 INSA
2023.2.19 @ 大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
2023.2.26 @ 北海道 SPiCE
2023.3.1 @ 東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO
※詳細は公式Web Siteをご覧ください。