Interview

ダイナマイト☆ナオキ

2022/12/10

永遠の39歳! 次世代型ロックスターの、サングラス

の奥の素顔とロック愛。


エネルギーのある音楽を聴いてほしい


——ギターを始めたきっかけを教えてください。

ダイナマイト☆ナオキ(以下、ナオキ):恥ずかしいけど、「〇〇のプレーに憧れて」 とかではなく、モテたいからだった(笑)。中2の頃、お小遣いを貯めて「チェッカーズと同じ色のギターをください!」って楽器屋さんに言って買ったのが最初。受験とかでバンドはできなくて、「高校に入ったら絶対に組もう!」と思いながらずっと練習してた。高1の自己紹介で「ギターやってます!」って言ったら、早速、休み時間に同じクラスの奴が来てくれて。そんなノリでバンドが始まったかな。

——そこからバンド人生がスタートしたんですね!

ナオキ:バンドにのめりこんだのは、ザ・ローリング・ストーンズの来日も大きかったかな。チケットを取るために夜通し大行列に並んで、やっと取れたのを覚えているけど、当時はそこまで詳しくなくて。少しでも知っていた方が楽しめると思って聴き始めたら、どんどんハマっていきましたね。

——では、ソロ活動を始めようと思ったのは……?

ナオキ:大学で大阪に行ってブルースを知ったんだよね。で、大阪や東京で沢山のバンドを組んだけど、俺、集団行動が苦手というか、うまくやれなくて。「ブルースなら、バンドじゃなくてもやれるな」と始めた感じです。

——最近は音楽の聴き方が多様で、10代は昔ながらのバンドサウンドを聴く人が減りつつあると思います。そんな若者たちに、ロックの魅力を教えてください!

ナオキ:ロックと言っても本当に広いけどねー。今は打ち込みやオケを流す事が主流で生楽器を使わない事も多いけど、人がプレイするエネルギーがいい。ジャンルに関係なく打ち込みとの融合を含め、エネルギーや温度感がある音楽はぜひ聴いてほしいね。

愛おしい存在です


——先日のライブ楽しかったです! 弾かれた楽器の種類の多さにびっくりしました。 

ナオキ:バンドでやってれば、ドラム、ベース、ギター、ボーカル、キーボードってあったりするけど、自分は基本ギターとボーカルで。他の楽器は、レコーディングのためにやってるかな。CDにはボーカル&ギター&ベース&ドラムマシーン&ハーモニカ&なんとかbyダイナマイト☆ナオキとか書いて、カッコつけてます(笑)。

——エフェクター(ルーパー)を駆使したディズニーの名曲が、心の闇を表現した曲と交互するメドレーになっていたのには驚きました。

ナオキ:あ、あのハイテンションと闇を繰り返す曲ね。実はまだ2回ぐらいしか披露してないんです。そこを拾ってくれるとは……(笑)。

——暗いセリフと明るいセリフが交互に出てきて、壮大な物語になってましたね。

ナオキ:セリフは特に考えていなくて、アドリブで言ってるんです。そういうふうに、ちょっと自分をライブの崖っぷちに立たせて、“どんな暗い言葉や怖い言葉が出てくるか?”みたいなのを試してます(笑)。

——緊張しそうですね(笑)。

ナオキ:TVでも放送されないし、何千人も入ってるわけじゃないけど。その場に来てくれた人のために、今しか見れないスゴいものを観せてやるぞ! って気持ちになってます。

——ライブでしか聴けないんですね!?

ナオキ:そうだね。ライブだけの楽しみと思ってもらえると嬉しいです。

——先日のライヴでは、お客さんも自転車のベルなど色んな形で参加されていました。ナオキさんにとって、ファンの方はどんな存在ですか?

ナオキ:愛おしい存在です。自分が産んだものを好きになってもらえるって、特別な気持ちですね。沢山の選択肢がある中で、自分の音楽を好きになってくれたって思うとすごく尊い。いつも励みになっています!

——かけがえのない存在なんですね。

ナオキ:下積みが長いほど、一人ひとりの存在が大きい。この距離感の時代から応援してくれている今の景色は、大きくなっても忘れないでいたいです。

愛のメッセージはすごく照れくさかった


——では、新譜『ボツ曲ベスト』についても聞かせてください。一度ボツにした曲を集めてリリースしようとしたきっかけは……?

ナオキ:本当だったら『グレイテスト・ヒッツ』みたいなのを出したかったんだけど、コロナで軒並みライブが中止になって。そんな中で、過去に作った曲たちをもう一度ふり返ってみようと思ったのがきっかけです。

——ユニークな歌詞の曲が多い中、「毎日天国」はストレートなラブソングだなと思いました。

ナオキ:ありがとう! このアルバムのために書いたんだけど、ふだんは“君が好きだ”とか、あんまりロックサウンドに乗せて歌うことがなくて。愛のメッセージってすごく照れくさかった。”ちゃんとロックで、みんなが楽しんでくれるラブソングってどう作ればいいかな?”っていうのが、ちょっとチャレンジでした。 

——気持ちが重なるところが多かったです!

ナオキ:きっとみんな、好きな人がいると“君がいるだけで毎日天国だー!”って思ったことあるんじゃないかな(笑)?

——ところで、作詞・作曲の中に、センチメンタル☆ナオキとダイナマイト☆ナオキの2種類の名前がありましたが、どう違うのですか?

ナオキ:ダイナマイト☆ナオキって名乗ったことで、客観的に色々書けるようになった気がしてます。本名だと、日記みたいな歌になったかもしれないのが、ダイナマイト☆ナオキにしたことで、“ヤツなら、こんなこと歌っても大丈夫だよな”みたいに。ただ、楽曲を作ってると“ダイナマイトじゃないな……”と思うのが出来ちゃうこともあって。そういうのは、センチメンタルに歌わせてる感じです(笑)。

——ダイナマイトとセンチメンタルでは、衣装も違うんですか?

ナオキ:センチメンタル☆ナオキ用の衣装もあって……変だった覚えがある(笑)。変なTシャツに変なベスト、ダサいバンダナをつけたセンチメンタル☆ナオキってヤツに15分ぐらい前座をやらせた後に、本編が始まったりする日もあります。ダイナマイト☆ナオキはたまにブレる時もあるけど、基本はサングラスとスカーフ、そして革ジャンですね。

いつもどこかに音楽がある


——では、音楽以外で好きなことやハマっていることはありますか?

ナオキ:将棋が好きかな(笑)? 甥っ子がいるんだけど、コテンパンにやっつけてメソメソさせちゃうこともあって。でも、そこは勝負だから(笑)。

——真剣勝負ですね(笑)。

ナオキ:あとは機材ですね。ギターに詰まったらリズムマシーンと遊んで、また詰まったらシーケンサー。それでも煮詰まったら歌詞を書こうとか。

—— 常に音楽に関わってるんですか?

ナオキ:そうだね。ソロ活動を始めてからは、打ち込みも歌詞を書くのも全部一人でやるようになったからな……。何かに行き詰まっても、いつもどこかに音楽がありますね。

——やっぱり音楽でいっぱいなんですね。最後に、今後の夢を教えてください!

ナオキ:子供が「プロ野球選手になりたい!」って言うみたいに、「東京ドームを埋めたい!」とかは心にはあるけど……。おこがましいことを言うと、ザ・ローリング・ストーンズの存在で、彼らがカバーしたブルースマンが世界中に浸透したように、 自分の音楽でブルースは難しいと思っている人や、ブルースを知らない人達への橋渡しができたら嬉しいなって思います。

インタビュー&ライティング:加藤優碧・元生真由

Profile

千葉県出身、令和のロックスター。永遠の39歳。ロックンロールやブルース、童謡やクラシックをベースにした独自の楽曲と、ギターテクニックに定評がある。作詞、作曲、シーケンス、プロデュースまで一人で行っている。「健康・挨拶・レディファースト」 を世に広めるため、首都圏を中心に活動中。

Twitter:@DynamiteNaoki

Release Information

5thアルバム

『ボツ曲ベスト』NOW ON SALE

SS-22201/¥2,000