Interview

wacci

2022/08/15

wacci

祝・メジャーデビュー10周年!

ボーカル&ギターの橋口洋平が語る、

誰かの人生に寄り添うラブソング。


――今年でデビュー10周年、おめでとうございます! wacciにとって、どんな10年間でしたか?

橋口:ありがとうございます。前だけ向いて走り続けた10年でした。コンスタントに曲を出させてもらって、47都道府県ツアーも行って。コロナ禍で延期や中止もありましたが、配信など、やれることを見つけて止まらずにやってきた。その中で、支えてくれた人や多くの出会いに改めて感謝を伝えるタイミングとしての10周年ですね。

――wacciメンバー5人の良さを教えてください。

橋口:僕らは学生時代からの仲間というわけではなく、いろんな経歴を持つ5人が、大人になって出会って結成したバンドです。同じ目標に向かってデビューから10年も続いているのが、すごく誇らしい。時にはぶつかることもありますが、みんな大人なので互いを思いやって譲りあえる。そういうところが、この5人の良さですね。

――ドラマ『やんごとなき一族』の挿入歌「恋だろ」についてですが、TVのための書き下ろしは、いつもの曲作りとは違いましたか?

橋口:今までもドラマやアニメ作品、CMの楽曲など数多く携わらせていただいてたので、その意味では違いはなかったです。原作のマンガやドラマの台本を読んでキーワードを探して作ったので、描きやすかったです。今回はドラマのために15曲ぐらい制作しました(笑)。

――15曲はすごいですね、アルバムが作れちゃう……。

橋口:いつもは1~3曲に絞るんですが、みんなで試行錯誤して作っていったら、15曲できちゃいまして。その、たくさん作ってアレンジも施した楽曲達の中に1曲、バラードで、ピアノ伴奏だけのシンプルなアレンジの「恋だろ」をそっと忍ばせて送ったら、なんとそれが選ばれまして(笑)。はちゃめちゃなドラマの中のほっこりする時間に流れて、僕らとしては愛のある使われ方でとても嬉しかったです。

――この楽曲には、どんな思いが込められていますか?

橋口:自分の中で誰かを好きだという気持ちは、芽生えた時点で、実る実らないに関わらず、大事にしていいんじゃないかっていう。片思いを正当化できるような曲にしたいと考えました。失恋した人や、好きと言い出せない人とかに、恋する勇気を届けられればいいなと。

――そんな中で、「別の人の彼女になったよ」が、総再生回数2億回を突破したそうですね! これほど広がると考えていましたか?

橋口:ここまで広がるとは思ってなかったですね。リリースする時に、スタッフを含めてチームの中でも賛否が分かれて。「こんな歌、誰が聴きたいんだよ」という意見もありました。ただ、会議とかで賛否が同じ熱量を持って議論を巻き起こした楽曲だったので「これは何かが起きるんじゃないか?」って。そういう予感があったものの、この反響にはびっくりでしたね。

――バズったときは、どんな気持ちでしたか?

橋口:いくつかタイミングがあって。「関ジャム(完全燃焼)」で元SUPERCARのいしわたり淳治さんが、“2018年のベスト10曲”に選んでくれたり、彼氏を亡くしてしまった女子高生が、自身の想いをYouTubeのコメント欄に書き込んでいて、そのコメントが広がって、また聴いてもらえるきっかけになったり……。

――あと、カバーしている人もたくさんいましたよね。

橋口:はい。いろんな人がカバーしてくれて、そこからまた聴かれて……みたいな感じで。1回じゃなくて、小さなバズが10回くらいあった感じというか。だからバズった瞬間はどうだったかと言われると正直よく覚えてないですね。気づいたときには膨れ上がってました。

――橋口さんは普段、どのように曲作りをされてますか? ライブのMCで、ホテルにこもって作業したとおっしゃってましたよね。 

橋口:その時は、たまたま気分を変えたくてホテルにこもってたんだけど、基本的には家と喫茶店が多いですね。家ではギター弾きながらメロディを作って、歌詞はほとんど喫茶店です。気分転換に喫茶店を5軒ハシゴしたりもします(笑)。あと、朝に書くことが多いです。6時に起きて、15時くらいまで頑張ったり。

――ラブソングには、ご自身の経験が反映されるものですか?

橋口:実体験がモロにっていうタイプじゃないけど、心理描写だったり感情とかは、自分の感じてきたことや相手に感じさせてしまったことが多いですね。シチュエーションは想像で書いたりします。やっぱり曲数が増えてくると、実体験だけでは限られてしまうので。ただ僕は、人の恋愛話を聞くのが好きで、女友達から恋の相談をよく受けるんですよ。そこからネタをもらったりします(笑)。「別の人の彼女になったよ」とか、そうですよ。

――ではライブの話も聞かせてください。去年、初の有観客日本武道館での公演を行われました。武道館には特別な思いがありましたか?

橋口:やっぱり音楽を志す以上、武道館を夢として掲げないといけない空気がありますよね。でも2020年に、無観客で武道館のライブをやったときに、多幸感というか音楽に包まれている感じがあって。実際にお客さんが入った景色を本気で見てみたいと強く思いました。そこから、リアルな目標になりましたね。

――その1年後に、有観客で行われましたね!

橋口:そうですね。有観客で開催できて、思い描いてた以上の素晴らしい時間になりました。本当にやれてよかったし、ここまで連れてきてくれたスタッフの皆さんと、お客さんには本当に感謝ですね。

――6月24日に行われたライブに同じ事務所の松下洸平さんがゲスト出演されたそうですが、普段どんな交流をされていますか?

橋口:たまにLINEなどをします。お互いの作品の感想とか言い合ったり。楽曲をリリースすると、たまに洸平くんは電話をくれるんです。僕も、洸平くんの舞台を観に行って楽屋で感想を伝えさせてもらったり。だから、仕事でお互いに刺激しあう関係だと思います。友達ってよりかは戦友って感じかな。

――なるほど。では、松下さん主演のドラマでwacciの曲が使われるのは、お二人の中でも嬉しいことですね。


橋口:そうですね、嬉しいです。「恋だろ」についても洸平くんは連絡をくれて、「ドラマ出演者の方々からも感想もらったら連絡するね」とか送ってくれました。神様みたいないい人です(笑)。仕事を通じてお互いの作品とか、やりたいことに対して意見を言ったり褒めあったりできる。そういう人って、友達より貴重な気がしますね。

――話は変わりますが、wacciは幅広いアーティストに楽曲を提供されていますよね。特に印象に残っている楽曲はありますか?

橋口:それぞれ印象に残ってますが、広がりで言ったら、Hey! Say! JUMPに書かせていただいた「ナイモノネダリ」ですかね。初めてジャニーズのグループに提供させていただけて嬉しかったです。童話がテーマのアルバムの1曲を依頼され、僕は“ピーターパン”を選んだんです。「“ピーターパン”をテーマに曲を作るグランプリがあったら絶対に最優秀賞を取れる楽曲を作ろう!」という視点で書きました。

――学生のような視点ですね!

橋口:はい(笑)。最終的には“ウェンディの結婚前夜”に、“今すごく大事な人がいるけどピーターパンのことが忘れられない”って設定で書く形になりました。ちょっと重いけど、新鮮味があって面白いと感じてもらえたら嬉しいなと。それが思い描いていた通りに広がって届いてくれて、すごく嬉しかったです。とても印象的な1曲ですね。

――では、これから10年先、そのもっと未来。バンドとして、また橋口さん個人として、どのように活動をしていきたいですか。

橋口:バンドでは、満員の日本武道館でやるっていうのが今の目標です。僕としては、誰かの人生にとってのテーマソングになるような楽曲を、1曲でも多く書けたらいいなって思います。あと、wacciを応援してくれる人とか支えてくれている人やメンバー含めて、みんなに今の倍幸せな10年後がくればいいなって思いますね。

Profile

2009年に結成。橋口洋平(Vo/G)、小野裕基(Ba)、因幡始(Key)、村中慧慈(G)、横山祐介(Dr)による5人組バンド。2018年にリリースした「別の人の彼女になったよ」がSNSで話題となり、総再生回数が2億回を突破。6月にはドラマ『やんごとなき一族』の挿入歌「恋だろ」をリリース。2022年11月7日に、メジャーデビュー10周年を迎える。
Web Site・https://wacci.jp
Twitter・https://twitter.com/wacci_jp

Release Information

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11th Single 「恋だろ/僕らの一歩」 NOW ON SALE
通常盤 [CD] ¥1,300(税込)
初回⽣産限定盤 [CD+Blu-ray] ¥3,000(税込)
期間生産限定盤 [CD+Blu-ray] ¥3,000(税込)

Live Information

ホールツアー
■2022年9月10日(土) 福岡 ももちパレス(福岡県立ももち文化センター)
■2022年11月6日(日)愛知 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
■2022年11月20日(日) 大阪 NHK大阪ホール
■2023年1月7日(土) 神奈川 神奈川県民ホール
※詳細は公式Web Siteをご覧ください。