Interview

NOA

2025/07/08

デビュー5周年。英語・韓国語・日本語で魅せる曲の違い。
曲を通したファンとのキャッチボール。

──5周年おめでとうございます。早速ですが、7月7日にリリースされる5周年記念第2弾楽曲「Merry Go Round」について教えてください。

この曲は、7月から放送されるTVアニメ『ホテル・インヒューマンズ』のエンディング曲なので、原作の雰囲気や世界観みたいなものをできるだけ曲にも反映させようと思って作りました。サウンド面では、今までにないような雰囲気で作ろうと思いましたし、実際、そういう雰囲気になっていると思います。歌詞は、原作からすれ違いながらも惹かれ合う想いを、回り続ける“Merry Go Round”に重ねて描いています。

──確かに、サビの歌詞“追いかけて 追いかけられ 巡り巡る”は、まるでメリーゴーランドですね。特に思い入れのある言葉はありますか?

大サビの“上下に動く心は 思わせぶりされて up and down 離れるべきなのに この恋は”の部分ですね。自分ではこの恋は良くない、離れるべきって自覚しているのに、それでもまた繰り返してしまう気持ちが、メリーゴーランドのように永遠に回る切なさに通じると感じて。“離れるべきなのに”っていう部分がすごく好きです。そのあたりを、ぜひ聴いてもらいたいですね。

──「Merry Go Round」は、3月にリリースされた5周年記念楽曲第1弾の「Seasons」と同じくNOAさんの曲のなかでは日本語が多い曲ですが、それには意味がありますか?

言語の違いについては、去年の僕のアルバム『Primary Colors』の中の“三原色”をテーマにした曲でも書いているんですが、僕は、韓国語、英語、日本語と言葉によって、話すときに表に出る性格が変わるんです。韓国語は、落ち着いている反面大人っぽく見えたり、英語は、フランクになるっていうかハッピーな性格も現れたりします。日本語には“エモさ”みたいなものが現れる。だから、エモいジャンルの楽曲は日本語で思い浮かびやすいし、日本語で書き伝えたいと感じています。

──つまり、「Seasons」と「Merry Go Round」の2曲に関しては“エモさ”が意識されている?

そうですね、“エモさ”を意識して書きましたね。それこそ「Merry Go Round」は、アニメの世界観や一話のエピソードを見て、その気持ちが込み上げてきたときに聴こえたらいい曲にしたいと思ったので、“エモさ”を重視しました。

──エンディングで聴くのが楽しみです! ちなみに第3弾の構想はすでにあるんですか?

一応、決まってたりはします。暑い時期に。具体的な日にちなどは決まっていないですけど、「あの曲をどこでやりたい」みたいなものはもう決まってたりはしますね(笑)

──情報を待っています! では、9月に行われる5周年スペシャルライブについて教えてください。

5周年を迎えるまでに、楽しかったことや苦労したことなどいろんなことがあったんですが、正直これまで、そのすべてをお見せしているわけではないので、今回のライブでは楽しかったことや苦労したこと両方をみなさんにお見せしたいと思っています。また、新しいものとこれまでのものを全部まとめてライブでお届けできればと。演出面で言うと、今までやったことがないことに挑戦していますし、以前、有明アリーナのライブでやったことを今回のライブでもしようかなと思ってます。なので、有明アリーナでのライブを見ていただいたら、ヒントが散りばめられているので、その中でひとつ、ぜひ見つけてください。そして、今までのライブの中で一番曲数が多くなると思います。

──5周年ライブでは、これまでの苦労したこと、楽しかったことを、というお話しが出ましたが、具体的にはどんなことですか?

一番苦労したのは、やっぱりデビューした直後に迎えたコロナ禍ですね。デビューしたてで、慣れていないことばかりなのに、デビューする前に思い描いたビジョンとは全く違うモノになってしまって。この先、ステージでお客さんを前にして、お客さんの歓声を聞きながらライブができるのか?と考えるとすごく怖くなりました。

逆に一番楽しかったこともライブですね。一番だから1つに絞るのかもしれないけれど、でもやっぱりライブが一番! 僕は曲を書く側だからこそ、リスナーの皆さんがその曲をどういう風に楽しんでくれているのか?を生で見られるライブは本当に好きです。

ちょうど今、5周年ライブに向けて、演出・ステージ・セトリ・曲ごとのアレンジみたいなものを考えていて、基本全部自分でやっているので、それができることもありがたいし、ライブへの思いが強くなりますね。

──そんな苦労した日々を超えた今、5年前の自分が“今のNOAさん”を見たらなんて言うと思いますか?

なんて言うんだろうー(笑)。でも「頑張ってるな」みたいなこと言うのかな?「かっこいいな」とか「めっちゃいいじゃん!」みたいな気持ちになるかはわからないですけど(笑)。「あーよく頑張ってるなー」みたいな感じになるのかな(笑)

──4月に行われたファンミーティング「Dear NOANA」のテーマは”郵便局”でした。どんな風に思いついたのですか?

もともと5周年を題材にして作りたいというのはありました。その中で、どうすればいいかって考えたときに、僕は曲を書いて届けている身で、それを受け取ったファンの方が、受け取った曲をどう人生に重ねてくれているのかを知りたいと思ったんです。恋愛ソングとして書いたとしても、受け取った方は自分が何か前に進むための応援ソングとして聴いてくれていたり、聴き方が自由だからこそ、そのエピソードを元にファンミーティングが作れたら、と思ったんです。「送る」と「受け取る」を想像していたら”郵便局”が思い浮かびました。僕が局長という存在で、その郵便局は5年前からあって、みたいなファンタジー要素を入れたら面白いと思って、オープニング映像を物語風に作ったり、オープニングに出てきた局長のデスク風のステージにしたりしました。

──そんなライブでのルーティンはありますか?

最近だと、「筋トレ」です。自分の体重を負荷にして軽くできる筋トレみたいなものはライブ前によくしてます。その他には、テンションの上がる曲をライブの直前に聞いて、テンションを上げてます。

──では、突然ですが、お休みの日は何をしていますか?

最近だと、友達に会うことを積極的にしているかもしれないですね。最近で言うと、WATWINGの八村倫太郎とランニングしたり、お風呂に行ったり。すごく健康を意識した、休みの過ごし方をしてます。

──NOAさんにとって、“癒しの時間”はどんな時ですか?

家に“ラッフィー”っていうワンちゃんがいるんですけど、ラッフィーはめちゃめちゃ癒しですね。普段いろんなことをいっぱい考えちゃうんですが、ラッフィーを見ると「かわいい」っていうワードしかないので、その瞬間はいろんなことを忘れて、すごく温かい気持ちになれます。

──演技に関するお話も聞かせてください。映画やドラマなど俳優業も行われていますが、演じることと音楽を表現することの共通点や違いは何でしょうか?

共通点は、やっぱり“お届けする”っていうことかなと思っています。音楽の場合は、歌詞や音にメッセージを込めて“お届け”します。お芝居の場合は、芝居するたびに「このお芝居で何かひとつ見ていただいた方に伝わったらいいな」という“お届け”する気持ちなので、“届ける”ことが共通点かなと思います。

違いは、音楽の場合は自分の軸があるので、NOAが考えていること・届けたいことがベースになります。演じる場合は、自分とは全く異なった人間を演じることもあるので、違いはそこかなと(笑)

──演じることで得たものが、音楽活動に影響したことはありますか?

あります! 2022年にドラマ『君の花になる』の撮影をしていたときに、並行して自分のアルバムのレコーディングがあったんです。そのレコーディングでは、歌詞の感じ方や、耳に入ってくる音の感覚、歌っている時の感情がより素直になったというか、表現しやすくなって、それはお芝居で得たものなのかな、と感じました。

──SNSでは定期的なライブ配信や発信をされていますが、ファンとの関わりで大切にしていることは何ですか?

僕は、ライブも曲もみんなで作っているという感覚が強くあるので、その感覚は普段から大事にしています。ライブでは、ファンの方の意見を元にしたり、ライブ配信でいただくメッセージにある、こういうことが聴きたい・やって欲しいっていう言葉を参考にしています。ファンの方とは「嫌なことがあってもライブ配信の場では忘れて、次の日から一緒に頑張ろう!」みたいな仲間意識があるのかなと思います。

──これから挑戦してみたいジャンルや、新しい表現があったら教えてください。

そうですねー、もうちょっとラップ調のメロディがメインの楽曲や、英語フル・韓国語フルの曲に挑戦したいですね。英語・韓国語・日本語それぞれの言語の表現の違いを生かした楽曲も作りたいと思っています。

──アーティストとして、5年後10年後のビジョンを教えてください。

5年後はさすがにまだ歌ったり踊ったりしていると思います。今も曲やライブなど、プロデュース面にたくさん携わらせていただいているので、そういう部分が10年後にはよりメインになっていたらいいなと思いますね。他のアーティストへの楽曲提供もやっていきたいですし、自分の中の目標としては、ボーイズグループをプロデュースする能力を10年後には持ちたいです。

──最後に、ファンの方や読者の方へメッセージをお願いします!

5周年、僕の中では4月のファンミーティングから特別な瞬間みたいなものを皆さんと共有できているかなと思っています。ですが、まだまだここから半年間、情報解禁されていないものもたくさんありますし、皆さんと会う場は四季を通してあるので、楽しみにしていただきたいです。今までの感謝の気持ちを一つひとつ丁寧にお返しして、6周年を迎えられたらと思っています。

インタビュー&ライティング:和田愛奏・伊藤緑

Profile

2021年にデビューした、作詞・作曲・ダンスの振付を自ら行うソロアーティスト。日本語・英語・韓国語を話すトリリンガルで、国内外問わず幅広いジャンルで活躍している。今年、デビュー5周年を迎える。

Webサイト:https://noamusic.jp

Release Information

「Merry Go Round」

2025.7.7 0AM(JST)
TVアニメ『ホテル・インヒューマンズ』エンディング・テーマ

https://noa.lnk.to/merrygoroundPR

恋愛における駆け引きや、想いのすれ違いを“メリーゴーランド”に重ねて描かれている。少しの切なさとエモさが合わさった大人な雰囲気。日本語にある“エモさ”と、英語にある“フランクさ”が生かされた歌詞となっている。

Live Information

NOA 5th Anniversary Special Live
2025.9.13@横浜BUNTAI
詳細:https://noamusic.jp/news/detail.php?id=446

SUMMER SONIC BANGKOK 2025
2025.8.23@IMPACT CHALLENGER HALL 1ー3

編集後記

インタビューをしていく中で、5周年という節目の一年間にかける想いがすごく伝わってきました。曲制作だけでなく、ライブや普段のSNSにおいても、とにかくファンを一番に考えられているな、という印象を受けました。笑顔から伝わる誠実さと優しさ、ふとした言葉に感じた芯の強さ。NOAさんの言葉は、どれもまっすぐで、とても心に残っています。(和田愛奏)