Interview

声にならないよ

2024/12/07

声にならない想いを歌う彼らの挑戦。

声を超えた響き、人々に寄り添う彼らの音楽とは。


──「声にならないよ」というバンド名の由来を教えてください。

若宮めめ(以下、めめ):僕が格好いいと思うアーティストは僕自身が思ってる感情をうまく歌詞で表現してくれてると感じていて、僕たちもそういう存在になりたいと思ったんです。それで、コンセプトを“あなたの声にならない想いを歌う”に決めて、一言にして「声にならないよ」にしました。

──めめさんとHiRoさん、お互いにどんな存在ですか?

めめ:ほんまに音楽の才能に溢れてるなって。僕は全然楽器ができないので、僕ができないことが全部できる人。自分が持ってないものを持ってるから尊敬できる人やなって思う。だから感謝しています。

HiRo:僕も、僕が持ってないものを全部持ってる人だと思います(笑)。昔から策士というか、努力家であり、勉強家であり、直感も鋭くて、そこにちゃんと理由があって説得力がある人。戦略を考えるところが論理的。突拍子のないことを言ったりするけど、それも説得力があるというか。僕は発想をするのが苦手なので、そういうところを尊敬しています。

──互いに持ってないものを持っている2人ですね。

めめ:そうですね。僕がアイディアを出して、それを形にしてくれるのがHiRoくんです。

HiRo:僕は、人を輝かせたいというか、人が実現したいことを1から100にする仕事をしたいという思いが強いので、アイディアを出してもらって僕が形にするっていうのは良いバランスだと思っています。

──では、どんな学生時代でしたか?

HiRo:中学高校は、部活で和太鼓ばっかりしていました。中学1年のときに、クラスの女の子に一緒に見学に行こうって言われて、行ってみるとすごく格好よくて。僕のことを誘った子はすぐ退部したんですけど。僕は中学高校とずっとのめり込んでました。

めめ:僕は中学の時は陰キャで控えめな感じだったんですけど、高校生になってからちょっとずつ明るい面を見せ始めました。僕も和太鼓部に入っていて、部活にはめっちゃハマってました。高校の時は、好きだった子に格好いいって思われたくて部活を頑張ってました(笑)。

──2人とも部活に力を入れていたんですね。では、9月にリリースされた「やんわりポジティブ」はどんな楽曲ですか?

めめ:曲に関しては、歌詞を書いてるのがボーカルの僕、若宮めめで、メロディーを作っているのがHiRoくんです。曲のコンセプトを決めるのは僕ですが、これまで恋愛の歌詞や生きることに対して誰かに寄り添う歌詞が多くて、応援する歌詞はあまりなかったんです。それで、僕らなりにポップに応援できる曲を作りたいねって制作したのが「やんわりポジティブ」です。ただ、がっつり俺たちに任せろとか、君なら絶対に行けるという熱い感じじゃなく、“やんわり”がミソだと思ってます。ちょっとずつ前を向けるように、ふんわり背中を押す曲。リアルを感じながら、それでも前向きにいきましょうです。

HiRo:楽曲のメロディーとサウンド、どういうドラムを叩いてもらうか、バイオリンのフレーズはどうするか、などは僕が考えています。この曲は短い曲にしようというコンセプトで 1分50秒ぐらいしかないんですが、物足りなくないけれど、もう1回聴きたくなる、そこが一番こだわったところですね。華やかなサウンドに仕上げて、1曲聴けば満足感を得られるように考えました。

──自分たちの曲で好きな楽曲と理由を教えてください。

HiRo:好きな曲については、定期的に誰かと話したりするんですが結構変わるんですよ。今、僕がハマってるのは、「この世が生きづらいあなたへ」です。特に歌詞が好きで、サビの“あなたがあなたのままでいられますように”が、メンタルの浮き沈みの沈んでる時にすごく刺さる曲です。ワンマンツアーのセットリストにも入れて、サビになると自分は演者だけど、ちょっとお客さんのような感覚で、ピアノを弾きながら勝手にぐっときて、ちょっと涙腺が刺激されるような感覚がある曲です。

めめ:僕は「恋する」です。アップテンポな曲で、ライブの時に、ファンの人はもちろん初めて聴いてくれた人も盛り上がってくれる。僕自身もなんか来た!って感じる、フロアにそんな空気感が漂う曲ですね。最近はセットリストに入れて、ワクワクしてます。

──今までは辛さに寄り添う落ち着いた楽曲が多かったように感じますが、最近明るい楽曲が増えたのは何か意図がありますか?

めめ:はい。去年までライブをあまりしてなくて、今年はライブや、外向けな「声にならないよ」を見せるのがコンセプトで。分かりやすく華やかな曲を増やしたいよねっていう話をしたんです。僕はバラードやスローテンポな曲を歌うのが一番得意だし、自分の声が一番いけると思ってるんですけど、今までやってこなかった分野にチャレンジしたいと思って。しっとりした曲は絶対にリリースしないって4月に決めたんです。なので、これからの新曲もアッパーな曲が多くなります。そういう意味では、敢えてやってることですね。

──東名阪ワンマンツアーを終えた感想を聞かせてください。

HiRo:東京・名古屋・大阪で、セットリストはちょいちょい変えたりしたんですけど、基本的には流れは同じです。ただ、今回はライブごとに音源を聞き直してマイナーチェンジというか、ちょっとずつ調整をして1回ずつちゃんと積み上げたような感覚があります。もちろんどの公演も全力でいいライブをしたんですが、特にファイナルの大阪は、東京と名古屋で培ったことがしっかり出せて、自分の中でいいライブで締めくくれたと思ってます。次に繋がる1ヶ月でした。

──追加公演はどんなライブにしたいですか?

めめ:追加公演はスリーマンで、本当に大好きなゲストを迎えます。ワンマンとちょっと違う、その日にしかない要素というかドラマというか、この組み合わせだからこそ見える瞬間や感動があると思うので、ぜひそれを見てほしいです。

HiRo:僕たちのファンはもちろん、ゲストのファンの方にも楽しんでもらって、「声にならないよ」のファンになってもらうというか、巻き込んでどのお客さんも楽しかったと思ってもらえるようにしたいです。

──1月にリリースするミニアルバムについて教えてください。

めめ:さっき話した通り、このミニアルバムは僕らにとっては挑戦的なアルバムです。今までバラードを歌ってきたのに、アッパーな曲やリスナーがちょっとでも前を向ける曲にすることを意識して、今までと違う僕らを見せています。制作中は大丈夫かな、そんな曲が作り続けられるのかなっていう不安もあったんですけど、今は曲ができるたびにワクワクして早く聴いてほしい。こんな「声にならないよ」もあるよっていう曲がどんどんできてます。予想できないようなアルバムになると思ってます。予想を裏切る期待を、逆に期待を超えたいと思ってます。

HiRo:アップテンポを作る挑戦ですね。アレンジは、バラードが得意なので、アップテンポを作るために脳を切り替えました。苦しくありながらも何かを培ったような1年だったので、それが形になって世に出せるのが楽しみですね。アップテンポの曲がありつつも、ピアノを聴かせる曲も入れて、挑戦もありつつ、今までの僕らも感じられる要素が多いミニアルバムになっていると思います。

──来年、結成5周年、今後の目標を教えてください。

めめ:過去に作った曲を自分の中で超えたって思える曲をどんどん作っていきたいと思います。この先もそれが一番大事だと思います。いい曲を書くことは苦しいことでもあるけど、それが一番自分にあっていることだと感じるので、今後も頑張っていきたいと思っています。

HiRo:今年はアップテンポな曲を作るためにかなり勉強しました。それで方向転換もできるし自分の中のスキルもあげられるということを再確認しました。来年の方向性はまだ決まってないですが、いい曲を作るためというマインドでいろんな音楽を吸収しつつ、来年に向けて頑張っていきたいです。

──読者(高校生も読んでいます)へメッセージをお願いします。

めめ:僕らの曲は、甘酸っぱい恋愛の曲が多いので、恋をしてるみんなに聴いてほしいと思います。

HiRo:曲を聴くとき、すぐ次の曲に行かれてしまう時代ですが、ちょっと聴いてもらえれば最後まで聴いてもらえる自信があるので、ぜひ1度調べて聴いてみてほしいです。

インタビュー&ライティング:望月芹菜・伊藤 緑

Profile

『あなたの声にならない想いを歌う』をコンセプトに2020年より活動を開始。メンバーは若宮めめ(Vo)、 HiRo(Key)。大阪出身2人組ピアノポップバンド。

Web site:https://www.koeninaranaiyo.com/

X:@koeninaranaiyo

Instagram:@koeninaranaiyo

Release Information

声にならないよ

Digitalシングル
『やんわりポジティブ』
単曲配信/サブスクリプションサービス・ダウンロードサービス
NOW ON SALE

Digitalシングル
『愛ふれる』
単曲配信/サブスクリプションサービス・ダウンロードサービス
NOW ON SALE

Digitalミニアルバム
『愛を編む』1/15Release

Live Information

声にならないよpre. 「追伸、忘れたくないこの感情を」東京編
2024.12.7@東京 Spotify O-Crest


『愛を編む』Release Tour
2025.2.1@福岡OP’s
2025.2.2@広島 ALMIGHTY
2025.2.9@東京 下北沢MOSAiC
2025.2.15@愛知 名古屋 R.A.D
2025.2.23@大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE

※詳細は公式Webサイトをご覧ください。